最期の数時間・・・

あと数時間・・・
最期の時が静かに流れていく


目の前に在るいつもと変わらない風景が
静かにゆっくりと、
2度とない風景になろうとしている・・・


一期一会と言われるように、
今が永遠であることはありえない。
例えそれが血の繋がった親子や家族であっても・・・。

そんなことはあたりまえだと
常々思っていたことが、
ある日突然実感となった時、
どんなに痛いことだったか、気づくことになる。


今見える風景は・・・
あと数時間の命・・・
この場所に同じメンバーが集うことはない。
そんなことは、何度も経験してきたことのはずなのに、
でも・・・慣れることはできなく、やはり辛い・・・


辛いのは、去るもの?
それとも残されるもの?


決断したもの?
されたもの?


共に在ることのできるのは、ほんの束の間。
もっと大切にすれば良かった。
もっと優しくできたかもしれない・・・
後悔は後を絶たないけれど、
もう、どうすることもできない。


今はただ・・・
できるだけ心に留めようと試みてみるだけしかできない・・・。


そして、このひとときが過ぎたら・・・
顔をあげ、新たな道へと歩みださなくてはいけない・・・
去っていくものをみつめ、立ち止まって涙してばかりはいられない。
時も人も待ってはくれはしない・・・
容赦なく、次の課題が待ち受けているのだから・・・。

そしていつか、今のこの辛い思いも
少しは懐かしく思い出すことができるようになるのかもしれない・・・
今はまだ、とても信じられないけれど。