今日は真面目にネットの未来を考える・・・

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」(筑摩書房刊:ちくま新書)読みましたか?

"ブック・レビュー・ガイドb"のランキングでも4月12日から5月8日までベスト5入りしていた
梅田望夫氏の「ウェブ進化論」。
女性誌には「Hanako」と「婦人公論」ぐらいしか紹介されていなかったものの、
男性で話題になったのち薦められて(?)女性にも読まれていると紹介されていました。
・・・まさに私もそのタイプ。
タイトルは気になるものの、後回しにしていたところ、
社長からチェックが入ってしまいました・・・「読んだ?」
・・・これが、読んでみると嵌る嵌る・・・
思っていたよりもずっと楽に読み進めることができました。
この本は、現在も連載している「フォーサイト」の”シリコンバレーからの手紙”を
書くために梅田氏が日々続けてきた思考が1つの構造にまとまったものでもあると、
あとがきに記してあったのを発見してから、
フォーサイト」の定期購読も決めてしまったほど、
目からウロコ・・・の驚きの本でした。
とはいえ、WEBの社会のほんの一部にすぎないことがわかっただけなのですが、
それだけでも・・・十分日本の未来が心配になってしまう一冊でもあります。
Amazon”の評価がさまざまであることは知っていたものの、
「潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影」(情報センター出版局刊)での
労働現場や賃金がどうした等とは言っていられず、
問題はもっとネット社会を大きく二分化していたのです。
しかも日本のいるポジションときたら・・・ちょっと哀しくなってしまいます。
この本の救われるところは、楽天主義(optimism)を意識して書かれているということ。
今はシリコンバレーにあって日本になくても、
なんだか頑張ればまだどうにかなるような気がするのです。
(著者の主旨とはちょっと違っているようにも思いますが)

「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」(文藝春秋刊:文春新書)の視点。

4月に刊行された「グーグル」の著者・佐々木俊尚氏も
グーグルが新たな市場を創出しようとしていることを認めその実態を紹介してくれているが、
ウェブ進化論」の梅田氏と大きく違うのは、
古い世界の秩序を壊し、伝統的な企業のビジネスを破壊しようとし、
人々の情報発信を手助けし、企業や政府などの強大な権力と同じ土俵に上がらせ、
新しい秩序における新たな権力になろうとしているものとして、
グーグルを捕らえていることです。
その例として、グーグルから排除される”グーグル八分”の例や
巨大な組織には屈した”中国政府の検閲容認問題”もあげています。
更にはあとがきの最期まで、グーグル的な権力は世界を覆いつつある。
その認識を、われわれはきちんと持たなければならない。・・・と、結んでいます。

グーグル八分”や”中国への検閲協力””アドセンス狩り”の件は、
「文藝春秋」6月号で森健氏が
ビル・ゲイツを脅かす電脳集団 怪物グーグルが世界を支配する”でも紹介していたので
読みましたが・・・確かにやられたらどうしよう?!!と心配になってしまいます。

グーグルは、友達なの?敵なの?

今まで呑気に、無料で知識を与えてくれる、とってもいいお兄さんのように思っていたのに、
急にガン!と注意しなくちゃ駄目だよ・・・と言われても、
正直なところ、どうしよう・・・という感じです。
(逆にどうしようもないというのが現状ですが)
知の集積を行うことを目標としている以上、
やはり日本にも”Web2.0”企業や検索エンジンが必要なのではないでしょうか?
1つではなく、いくつかあれば、牽制やバランスや秩序が生まれるような気がします。
”隣の人を見ても疑え”という感じが広がる現代において、
大事なデータを公開するようなオープンソースの元となる
信用や楽天主義(optimism)が本当に育つのか?もちょっと自信が無いけれど、
やらないと間違いなく遅れるし、使うだけの、与えられる側になってしまいます。
それはちょっと寂しい・・・
そんな面白いことには、参加しなくては!!と、思うのは、
ノーテンキな私だけなのでしょうか?
もっと賢ければ、もちろんやってみたいけれど・・・
残念ながら・・・それは無理。
早く元気な芽がでてくることに期待したいと思います。


今日の「読売新聞」には、グーグルが年内に始めようとしている、
”ブック検索”のことが紹介され、同時に上記の新書も紹介されていました。
ちなみに、梅田望夫氏の「ウェブ進化論」は、2月10日発売で32万2000部、
佐々木俊尚氏の「グーグル」は、4月20日発売で12万5000部。
これだけ読まれていれば、
そのなかにはきっと日本の未来を担う”web 2.0”な人達もいるはず?!

もしかしたら・・・あなた?