2006-06-05 今日のチェック本 「花はさくら木」辻原登(朝日新聞社刊) 2005年4月17日〜11月27日まで「朝日新聞」連載された江戸中期の時代小説。 1761年の春〜秋という物語の時間と連載当時の時間や季節感は並行しており、 現実の事件と物語の中の事件が重なるように描かれ、 女性の皇位継承問題と皇室典範改正の審議、戦後150年と60年・・・ と250年の時を越えて交差する、時代小説の形をとった現在批判小説。 「夜の公園」川上弘美 (中央公論新社) 「恋愛のさなかにある怖さ。」と川上氏のいうこの嫌な感じは、 破綻の予感を感じながらもどうしようもない戸惑いに似てる。 知りたくないけど知っている居心地の悪さ・・・ 自分の中の感情の変化を自分自身が戸惑ってしまう・・・ 登場人物は・・・35歳の主婦”リリ”、夫”幸夫”リリの親友で幸夫の愛人の”春名” そして春名の別の恋人”悟”・・・ 語り手が変わっていく9章は、正直重い・・・。 誰だ?川上氏が爽やかだと言ったのは? でも読まさせられてしまう・・・怖い小説だ。